出版社内容情報
表現される死の様相、悲嘆の影、それを超えていく人びとのすがた。
避けられないからこそ、理解し、見つめ、携えていく――。死と対峙する生の在り方を「死を前にしたいのち」「死を超えてゆく言葉」「死者とともに生きる」という3つのテーマと響き合う小説や映画、ノンフィクションや現代詩、随想、俳文などに材を採り、探っていく。「死を前にしたいのち」では、黒澤明『生きる』、北條民雄『いのちの初夜』、カミュ『ペスト』、高見順『死の淵より』を、「死を超えてゆく言葉」では、堀川惠子『教誨師』、ホイヴェルス神父『人生の秋に』、アンデルセン『マッチ売りの少女』、夏目漱石『硝子戸の中』『思ひ出す事など』、「死者とともに生きる」では、小林一茶『おらが春』『父の終焉日記」、柳田邦男『犠牲(サクリファイス)』『犠牲(サクリファイス)への手紙』、津島佑子『悲しみについて』、ハン・ガン『少年が来る』を取り上げ、表現されてきた死の様々なかたちと死を前に生きる人のすがたに、死と共に生きることの意味を考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイトKATE
20
人間は普段から死について考えることは少ない。考えてしまうと、不安と恐怖に落ち潰されてしまうからである。でも、必ず死は誰もが訪れるものである。このテキストでは、死をテーマとした作品を取り上げている。黒澤明の『生きる』からハン・ガンの『少年が来る』まで、どれも死と向き合うことで精一杯生きようとする意志が伝わってきた。2025/05/31
Sumidagawa
0
どの作品の紹介もかなり早足のダイジェストで、結局各作品をそれぞれ自分でも手に取って読んでみないとよくわからない。ブックガイドとしては使える。2025/05/24